ハルマゲドン
>つまり、ユダヤ人にとって「最終戦争」とはローマ帝国に
>対する「独立戦争」のことであり、マケドの山で行われる
>だろうということを黙示の書の中で彼らは予言していた。
ハルマゲドンの戦いとは、「全世界の王たち」(黙示16・14)との戦いです。ローマ帝国一国だけの戦いではない。歴史が終わる直前に、人間の最後の反逆がある。神が人間の歴史の終幕を御自分で閉められる、つまり、エデンの園から続く、「へび(サタン)」と「女のすえ(キリスト)」の間の戦いがクライマックスに達するのが、このハルマゲドンの戦いなわけです。それから「マケドの山」じゃなくて、「メギドの丘」です。
>終末思想を生み出したユダヤ人にとって悪魔とは支配者の
>「ローマ帝国」のことであり、神や天使は「ユダヤ教の神」
>であり、「自分達」のことだった。
聖書のどこに、天使が「ユダヤ教の神」だなんて書いているんでしょうか。ユダヤ教やキリスト教において、天使が神になることは「絶対に」ない。天使が現れて、人間が彼を拝もうとすると、必ず、その天使は、「私は神ではない。拝むのをやめなさい。」と言います。これは例外なくそうです。ましてや、人間が神として扱われることも絶対ない。ユダヤ教やキリスト教において、神と被造物の間には決定的な不連続があるのです。これはまさに聖書が絶対に譲らない一線であります。もし、橋本治の説が正しければ、キリスト教やユダヤ教は、汎神論になります。
それから、悪魔とは支配者の「ローマ帝国」だなんて、どこから結論したのでしょうか。何かの政治体制をそのまま悪魔呼ばわりすることはありません。悪魔の象徴としてある町や国が挙げられることがありますが。こういう混同は絶対に彼らは避ける。