進展しているキリストの千年王国
千年王国とは、キリストが王となって地上を支配するという聖書が預言しているキリストの支配です。
「千年王国は未来に起こる」という考え方が現在の福音派の主流となっています。
彼らは、まず、背教が起こり、反キリストが全世界を支配して、その後でキリストが再臨すると考えています。
しかし、聖書では、キリストは、今現在、すでに王であると述べています。
「キリストは、・・・あらゆる支配、権威、権力、主権の上に、また、今の世ばかりでなく、次に来る世においてもとなえられる、すべての名の上に高く置かれている」(エペソ1・21)
「私は、天においても地においても、一切の権威が与えられています。」(マタイ28・18)
「神の右の座に着く」という表現は、旧約聖書において「メシアの王権」の象徴です。
「主は、私の主に仰せられる。『わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていよ。』主は、あなたの力強い杖をシオンから伸ばされる。『あなたの敵の真中で治めよ。』」(詩篇110・1−2)
Theological Wordbook of OT (Moody Press, Vol. 1, p.382)では、「『右の座』とは、メシアの王権の終末論的表現である。」と言われています。
ペテロは、詩篇110篇が、キリストのよみがえりと昇天において成就したと述べています。
「神はこのイエスをよみがえらせました。私たちはみな、そのことの証人です。ですから、神の右に上げられたイエスが、御父から約束された聖霊を受けて、今あなたがたが見聞きしているこの聖霊をお注ぎになったのです。」(使徒2・32−33)
新約聖書においては、夥しい箇所において、イエスが神の右の座に着かれたと語られています。
「キリストは、・・・神の右の座に着き、それからは、その敵がご自分の足台となるのを待っておられるのです。」(ヘブル10・13)
「神は、・・・キリストを死者の中からよみがえらせ、天上においてご自分の右の座に着かせて、・・・」(エペソ1・20)
「キリストは天に上り、御使いたち、および、もろもろの権威と権力を従えて、神の右の座におられます。」(第1ペテロ3・22)
このように、キリストは現在王として全世界を支配しておられるのです。
キリストの復活と昇天と同時に全世界は、法的にキリストの王国となりました。現在は、王国の中に残っている残党を始末している段階なのです。
これは、太平洋戦争の時に、日本が連合軍に降服した後で、ジャングルの中で敗残兵が絶望的な抵抗をしているのと似ています。
サタンは、キリストが十字架にかかった時に、敗北したのです。
「神は、十字架において、すべての支配と権威の武装を解除してさらしものとし、彼らを捕虜として凱旋の行列に加えられました。」(コロサイ2・15)
立場上、サタンは降服しましたが、実際上、彼は世界の至る所において抵抗しています。
しかし、サタンが実質的に敗北することは時間の問題です。
キリストは、現在神の右の座に着いて、全世界において最後の悪あがきをしているサタンの残党どもが完全降服するのを待っておられます。
「キリストは、・・・神の右の座に着き、それからは、その敵がご自分の足台となるのを待っておられるのです。」(ヘブル10・13)
「主は私の主に言われた。わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていなさい。」(使徒2・34−35)
そして、クリスチャンの伝道と世界の弟子化(マタイ28・18−20)による掃討作戦が完了した時点で、天から最後の裁きを行うためにやってこられます。
「それは、主の御前から回復の時が来て、あなたがたのためにメシアと定められたイエスを、主が遣わしてくださるためなのです。このイエスは、神が昔から、聖なる預言者たちの口を通してたびたび語られた、あの万物の改まる時まで、天にとどまっていなければなりません。」(使徒3・20−21)
この節について、バーンズは、次のように述べています。
「預言者によって語られたすべてのこと−つまり、キリストの御業、支配、福音の進展、キリスト教の勝利−が成就するまでイエス・キリストは天にとどまっていなければならない。また、これは、世界が罪から解放され、平和と秩序が回復することも意味している。メシアの働きは、始まってはいるがまだ完成したわけではない。それは、徐々にではあるが、勝利に向かって確実に進んでいるのである。」(Albert Barnes, Barnesユ Notes on the NT, Kregel, Grand Rapids, Michigan)
キリストの千年王国は、現在進展しています。
クリスチャンは、キリストとともに、十字架につき、復活し、そして、キリストと共に現在天に座して、世界を支配しているのです。
「・・・神は、・・・私たちをキリストともに生かし、・・・ともによみがえらせ、ともに天の所に座らせてくださいました。」(エペソ1・4−6)
「彼らは神とキリストとの祭司となり、キリストとともに、千年の間王となる。」(黙示録20・6)
クリスチャンによる福音宣教と、諸国民の弟子化によって、千年王国は進展しています。サタンは、この働きを阻止できません。なぜならば、彼は、すでに敗北しているからです。クリスチャンが彼に攻撃をしかけるときに、彼は必ず敗走するのです。
「平和の神は、すみやかに、あなたがたの足でサタンを踏み砕いてくださいます。」(ローマ16・20)
「悪魔に立ち向かいなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げ去ります。」(ヤコブ4・7)
それゆえ、クリスチャンは、世界のあらゆる領域において、福音を伝え、あらゆる国民をキリストの弟子とし、あらゆる文化がキリストの栄光を表すように改革することができるのです。
ここにこそ、本当の社会改革があります。若者は、社会を改革しようとして、60年代、70年代と闘ってきました。しかし、キリストの主権に基づかず、人間の知恵に頼ったために、失敗しました。
いかなる改革も、聖書の神の意思にかなったものでなければ必ず失敗します。
聖書の神に従った改革は、どのようなものであっても、必ず成功するのです。なぜならば、その背後に、全世界の主権者であり、王であるキリストの権威があるからです。
「あなたがたは自分たちの労苦が、主にあってむだでないことを知っている。」(第1コリント15・58)
一度しかない人生を、有意義なものにする秘訣はここにあります。キリストの御国のために戦うことです。その働きは、いかなるものであっても、必ず成功し、その実は、永遠に残るのです。
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