神の国の到来(3)
(Q)神殿崩壊が終わってしまえば、イエスの言葉が成就したとでも思っているのでしょうか。石の塊が崩れれば、あなたはそれで満足されるのでしょうか。キリストが預言されたのは、石ころの崩壊なのでしょうか。そうではないと思います。
(A)単なる石ころの崩壊について、イエスが述べたと考えることはおろかです。神殿は、その誕生から、イスラエルの信仰の中心であり、神の支配を象徴していました。そして、これは、イスラエルが神の民であることを示しているのです。
ですから、神殿が崩壊することは、イスラエルが神の民としての地位を失うことを象徴しているのです。これは、繰り返して、聖書において記されています。
(Q)イエスが崩壊すると預言された神殿とは、世界に存在するすべての悪を意味すると思います。富井健さんは、ほかの箇所では、たとえと解釈して、どうして、この箇所ではたとえで解釈しないのでしょうか。矛盾ではないですか。
(A)世界に存在するすべての悪を意味するという根拠はどこにあるのでしょうか。
それを聖書的に論証していただけませんか。
(Q)ユダヤの神殿が崩壊し、イエスを殺した張本人の建物が裁かれたのだからそれで預言が成就した、だからそれでよいのだという解釈なのでしょうか。しかし、その後、ユダヤは復活して、イエスを神とも思わない勢力が、以前よりも勢いを増しているのはなぜなのでしょうか。
(A)ユダヤ人が復活したことが悪の復活だと考えることは聖書的ではありません。もちろん、イエスを主と思わない人は、悪の影響を受けています。しかし、その人個人が悪であるわけではありません。その人は、回心して神の民となる可能性があるからです。民族そのものを悪と考えるのは、ヒトラーと同じように民族虐殺を生み出す危険な思想です。
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