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政治的宗教と有神論的宗教



(Q)支配階級が神をあがめることにより、被支配者に上下関係を見せつけると云うような機能もあったのではないでしょうか。

(A)そのような機能があったことは、歴史を見ればすぐに分かります。異教社会において、宗教は政治の道具でした。キリスト教であってもこの誤謬を免れなかったと言えます。パリサイ人は、神の権威ではなく、自分たちの権威を立てるために律法に様々な言い伝えをつけ加えていきました。イエス・キリストが山上の説教において、「・・・と言われているのをあなたがたは知っている。しかし、私はこのように言う。」と断言されたのは、律法が政治の道具になってしまって、真に神をあがめる目的から外れてしまったということを示すためだったのです。

 ラッシュドゥーニーは、宗教には2種類しかない、と言いました。それは、政治的宗教と有神論的宗教です。政治的宗教は、支配者を権威づけるために作られた人造宗教です。しかし、有神論的宗教とは、神の主権を確立するために神が作られた宗教なのです。  あくまでも、人間は神の意志をこの地上において実現するために創造されたのであって、人間の主権を確立するために作られたのではありません。人間が、神をさしおいて自分を王様にするところから堕落が始まったのです。




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