キリストの処女降誕
(Q)ヨセフはダビデの子孫だけど、じゃあ、処女懐胎したマリアから生まれたイエスはダビデの子孫ではないではないか
(A)旧約聖書の預言において、来るべきメシアは、ダビデ王の子孫でなければなりませんでした(イザヤ11・1)。新約聖書は、ナザレのイエスこそメシアであることを証明するために書かれていますので(使徒18・5など)、イエスの血統を記さなければなりませんでした(マタイ1章)。ユダヤにおいて相続は父系相続だったので、ヨセフがダビデ王の子孫であることが証明されなければなりません。
しかし、旧約聖書の預言(イザヤ7・14)によって、メシアは処女から生まれなければならなかったので、父系の血統が聖書に記されたのは、もともと、文字どおりの血縁を示すためではなく、ダビデ王の子孫の家族の中に生まれることを証明するためでしかなかったのです。
処女降誕は、アダムの子孫であることによって受け継がれる契約違反者としての地位と原罪から完全に自由であることを示すために神によって選ばれた方法であり、それゆえ、たとえイエスがマリアから生まれたにしても、マリアの遺伝子がイエスの中にあったと考えることはできないのです。
神はマリアの胎に、まったく新しい人類の初種を植え付けられました。それは、アダムの血縁との断絶であり、全く新しい創造でした。(*)
(*)イエスが救い主であるためには、まず自分が完全に無罪である必要があります。罪を背負った人間が、他人の罪を身代わりに負うことはできません。罪を犯した人は、その罪のために死ななければならないからです。それゆえ、アダムの失敗によって入った罪の影響を排除するためには、処女降誕しか方法がないのです。
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