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神の主権





 私たちはどのような主権の下に生まれてくるか自分で選択できません。もし自分が好まない主権の下に生まれてくると大変です。例えば、共産主義が嫌いな人がソ連に生を受け、その政権が嫌いだとって逆らうとします。彼は収容所に送られたり、死刑になることもあります。逆に共産主義が好きな人が、自由主義国家に生まれると大変です。マッカーシーの赤狩りのような時代に生まれて公職を剥奪されたり、社会的につらい思いをすることがあります。

 人間は、神の主権の下に生まれます。この宇宙で、神が主権をとっておられない場所はありません。一見して主権をとっていないように見えるこの地球も実は主権の下にあるのです。イエス・キリストはこのように言いました。「わたしは天においても地においても、いっさいの権威が与えられています。」(マタイ28・18)現在、歴史は、神が主権者であることを目に見える形で地上に実現するために進行しています。つまり、人間の立場は、アメリカが日本に勝ったのに、まだ負けたことを知らない(か、もしくは敗北を認めたくない)日本人が残党としてジャングルにこもって戦っているのに似ています。神の側の勝利は、イエスの十字架において確実になりました。もうイエスは勝利宣言をしているのです。「あなたがたは、世にあっては艱難があります。しかし、勇敢でありなさい。わたしはすでに世に勝ったのです。」(ヨハネ16・33)そして、イエスに従うクリスチャンにも勝利の確証は与えられています。「子どもたちよ。あなたがたは神から出た者です。そして彼ら(キリストに逆らう勢力)に勝ったのです。あなたがたのうちにおられる方が、この世のうちにいる、あの者よりも力があるからです。」(第一ヨハネ4・4)

 ですから、この神を嫌ったりこのお方に逆らったりすることは、自分にとって不都合なことになるのです。この地球では、共産主義がいやでアメリカ等に政治亡命することも可能でしょうが、宇宙の権威を持っている神から逃れることはできません。ですから、神の反対勢力につくことは、神の掃討作戦によって間違いなく排除されることを意味するのです。

 どの国家においても民族問題が大なり小なりありますが、自分の領土内で、別の主権をたてようとすると、その民族は主権を握る民族によってつぶされます。クルド人は自分の領土を持とうとしたのでイラクやトルコによって迫害されています。

 人間も神の造った宇宙の中で独立王国をたてようとしたのです。ですから、神はその国をつぶそうとしておられるのです。神は一ひねりでそのような国をつぶすことができるのですが、あわれみ深いお方なので、まず、われわれに和解の手をさしのべてくださったのです。それがイエス・キリストの十字架です。神は御自身の御怒りをイエス・キリストの上に注がれ、彼においてわれわれの反逆罪の刑罰を完了してくださったのです。われわれは、本来ならば国家反逆罪で処刑されていなければならなかったのですが、イエス・キリストが身代わりに死んでくださったので、生き延びることができたのです。そればかりか、神の敵ではなく、神の子の地位さえ与えてくださったのです。  われわれは、軍隊に包囲されている小さな町の住民です。食料もだんだん少なくなってきて、相手の軍隊は圧倒的に強い。まったく勝ち目はないことは分かっている。和解の使者がやってきて、「この条件で降伏しなさい。」と言っています。このような時に、「私はあなたがたが嫌いだ。」と言っても始まりません。軍隊は城門を打ち破って中に入り、われわれを殺してしまいます。

 街角にかかっている教会の看板に「疲れた人、重荷をおっている人は私のところに来なさい。私があなたがたを休ませてあげます。」というキリストの言葉が書いてあったのを見て、ある人は、「ぼくは疲れていないからけっこうです。」と言ったそうです。このように、キリストを受け入れることは好みの問題であると誤解されていますが、けっしてそうではありません。これは、選択の余地のない問題なのです。もし和解の使者を拒否すれば、われわれは滅びるだけです。相手は宇宙の支配者である神なのです。「行ける神の手の中に陥ることは恐ろしいことです。」(ヘブル10・31)

 人間が自分の主権をたてたので、神は世界を奪回する計画を立てられました。その計画によれば、歴史を通じて地球全体は最終的に神の支配下に入ります。この計画を妨害する者は、みな滅ぼされます。



地の王たちは立ち構え、支配者たちは相ともに集まり、主と、主に油をそそがれた者とに逆らう。『さあ、彼らのかせを打ち砕き、彼らの綱を、解き捨てよう。』

天の御座に着いておられる方は笑う。主はその者どもをあざけられる。ここに主は、怒りをもって彼らに告げ、燃える怒りで彼らを恐れおののかせる。『しかし、わたしは、わたしの王を立てた。わたしの聖なる山、シオンに。・・・わたしに求めよ。わたしは国々をあなたへのゆずりとして与え、地をその果て果てまで、あなたの所有として与える。あなたは鉄の杖で彼らを打ち砕き、焼き物の器のように粉々にする。』 (詩篇2篇)










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